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J-GLOBAL ID:201702271704208760   整理番号:17A0618382

Lgr5+腸幹細胞の自己複製におけるWntとR-spondinのリガンドの差異

Non-equivalence of Wnt and R-spondin ligands during Lgr5+ intestinal stem-cell self-renewal
著者 (33件):
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巻: 545  号: 7653  ページ: 238-242  発行年: 2017年05月11日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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カノニカルWnt/βカテニンシグナル伝達経路は,さまざまな発生過程,恒常性維持過程,病理過程を制御している。パルミトイル化されたWntリガンドは,細胞表面のfrizzled(FZD)受容体と,LRP5およびLRP6共受容体に結合し,βカテニンの核移行とTCF/LEF依存的な遺伝子のトランス活性化を可能にする。Wntの下流シグナル伝達経路構成因子の変異から,Wntリガンド自体に多様な機能が備わっているであろうことが分かってきた。しかし,19種の哺乳類Wntタンパク質と10種類のFZD受容体の間にある冗長性と,Wntが持つ疎水性のために,これらの機能をWntリガンドに直接帰属させるのは難しかった。例えば,Wntリガンドの個別の変異では,腸管上皮の恒常性維持表現型は生じなかった。腸管上皮は,Wnt経路に依存した,原型的・カノニカルな急速に自己複製する組織で,その再生は陰窩に存在する増殖性のLgr5+腸幹細胞(ISC)によって促進される。R-spondinリガンドファミリー(RSPO1-RSPO4)は別々の受容体クラスであるLGR4-LGR6,RNF43,ZNRF3に結合し,カノニカルWnt/βカテニンシグナル伝達を著しく亢進し,in vitroで腸オルガノイドの増殖を引き起こし,in vivoでLgr5+ISCを誘導する。しかし,in vivoでのカノニカルWntシグナル伝達とISCの生物学的特性に対する,WntリガンドとRSPOリガンドの互換性,機能的連携,相対的な寄与については分かっていない。今回我々は,腸陰窩の幹細胞ニッチにおけるWntリガンドとRSPOリガンドの機能的役割を明らかにする。Lgr5+ISCは,RSPOリガンドとWntリガンド両方が存在しない限り,分化する運命にあることが分かった。しかし,RSPOリガンドと脂質化されていない新たなWnt類似体を利用した機能獲得研究により,ISCにおいてこれらのリガンドが質的に異なった互換できない役割を担っていることが明らかになった。Wntタンパク質はLgr5+ISCの自己複製を誘導できないが,RSPO受容体の発現を維持することにより基本的な自己複製能をもたらし,RSPOリガンドが幹細胞の増殖を活発に誘導し,その広がりの程度を決定する。このWntリガンドとRSPOリガンドに見られる,機能的には異なるが協調的な相互作用は,別々のプライミング因子と自己複製因子により哺乳類幹細胞が制御される分子レベルでの例を示し,組織再生の適切な制御に広い影響を持つ。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (4件):
分類
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腸  ,  細胞生理一般  ,  細胞分裂・増殖  ,  生物学的機能 
タイトルに関連する用語 (5件):
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