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J-GLOBAL ID：201702274398696928   整理番号：17A0139297

RNF43変異型膵腫瘍のWnt-FZD5シグナル伝達回路がドラッガブルな脆弱性であることが,ゲノム全体にわたるCRISPRスクリーニングによって示された

Genome-wide CRISPR screens reveal a Wnt-FZD5 signaling circuit as a druggable vulnerability of RNF43-mutant pancreatic tumors

著者 (20件)： STEINHART Zachary (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  ROBITAILLE Melanie (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  ANGERS Stephane (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  PAVLOVIC Zvezdan (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  CHANDRASHEKHAR Megha (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  HART Traver (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  WANG Xiaowei (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  ZHANG Xiaoyu (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  BROWN Kevin R (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  ADAMS Jarrett (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  PAN James (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  SIDHU Sachdev (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  MOFFAT Jason (Univ. Toronto, Ontario, CAN) ,  WANG Xiaowei (Centre for the Commercialization of Antibodies and Biologics, Ontario, CAN) ,  PAN James (Centre for the Commercialization of Antibodies and Biologics, Ontario, CAN) ,  JAKSANI Sridevi (Univ. Medical Centre, Utrecht, Utrecht, NLD) ,  OVERMEER Rene (Univ. Medical Centre, Utrecht, Utrecht, NLD) ,  BOJ Sylvia F (Univ. Medical Centre, Utrecht, Utrecht, NLD) ,  CLEVERS Hans (Univ. Medical Centre, Utrecht, Utrecht, NLD) ,  MOFFAT Jason (Canadian Inst. for Advanced Res., Ontario, CAN)
資料名： Nature Medicine  (Nature Medicine)
巻： 23  号： 1  ページ： 60-68  発行年： 2017年01月 
JST資料番号： W0636A  ISSN： 1078-8956  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： アメリカ合衆国 (USA)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： CRISPR-Cas9ゲノム編集法を用いる順遺伝学的スクリーニングでは,がん細胞の遺伝的脆弱性を高分解能で検出することができる。我々は,Wntシグナル伝達に依存して増殖するRNF43変異膵管腺がん(PDAC)細胞で,ゲノム全体にわたるCRISPR-Cas9スクリーニングを行った。このスクリーニングから,Wntシグナル伝達回路がFZD5という因子に独自の必要性を示すことが分かった。FZD5は,ヒトゲノムにコードされている10のFrizzled受容体の1つである。今回の結果は,Wnt受容体レベルでは状況依存的な特異性が正当に評価されていないことを明らかにしている。さらに9つのFZDタンパク質の発現を知らせる一連の組換え抗体を得て,FZD5の機能特異性はタンパク質発現パターンでは説明できないことを確認した。また,FZD5およびFZD8に特異的に結合する抗体は,in vitroで増殖させたRNF43変異型PDAC細胞と,in vivoで異種移植片として成長させたRNF43変異型PDAC細胞の増殖を強く阻害した。この結果は,遺伝学的に観察された機能特異性に対するまた別の裏付けとなる。RNF43バリアントを持つ患者由来PDAC細胞株の増殖も,FZD5抗体によって選択的に阻害され,FZD5が標的療法に使える可能性が実証された。さらに,大腸がん患者由来でRNF43変異を持つ腫瘍オルガノイド培養もFZD5抗体に感受性を示し,上記の知見がPDACについてだけのものではなく,一般化できる可能性がはっきりした。今回の結果は,CRISPRを使う遺伝的スクリーニングが,抗体の開発とその治療への使用を目的として行う細胞表面標的分子の探索と検証を推進する可能性を明らかにしている。Copyright Nature Japan KK 2017

シソーラス用語： ヒト ,  *膵臓腫瘍 ,  腫瘍抗原 ,  タンパク質 ,  細胞情報伝達 ,  遺伝子発現 ,  免疫 ,  ゲノム ,  スクリーニング ,  *膜受容体 ,  in vitro実験 ,  移植片 ,  *抗体 ,  生体組織 ,  感受性 ,  遺伝学実験技術 ,  遺伝子操作
準シソーラス用語： RNF43 ,  *RNF43変異型膵腫瘍 ,  Wnt ,  *FZD5 ,  *Frizzled受容体 ,  FZD8 ,  異種移植片 ,  *FZD5抗体 ,  腫瘍オルガノイド ,  オルガノイド ,  遺伝的スクリーニング ,  ゲノム編集 ,  *CRISPR-Cas9ゲノム編集

分類 (2件)： 腫ようの化学・生化学・病理学  (GE02030N) ,  消化器の腫よう  (GH04000D)

タイトルに関連する用語 (9件)： RNF43 ,  変異型 ,  膵腫瘍 ,  Wnt ,  シグナル伝達 ,  脆弱性 ,  ゲノム ,  CRISPR ,  スクリーニング