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J-GLOBAL ID：201702282914759257   整理番号：17A0557341

春ウド「都」と寒ウド「湖北系2」のF₁系統の作出と休眠性評価

Production and dormancy assessment of F₁ hybrids of Haru-udo ‘Miyako’ and Kan-udo ‘Kohokukei-2’ (Aralia cordata).

著者 (5件)： 大槻優華 (東京都農林総合研究セ) ,  鈴木克彰 (東京都島しょ農林水産総合セ 八丈事業所) ,  鵜沢玲子 (東京都農林振興事務所 南多摩農業改良普及セ) ,  宮下千枝子 (東京都農林総合研究セ) ,  沼尻勝人 (東京都農林総合研究セ)
資料名： 東京都農林総合研究センター研究報告  (Bulletin of Tokyo Metropolitan Agriculture and Forestry Research Center)
号： 12  ページ： 59-69,71  発行年： 2017年03月31日 
JST資料番号： Z0232B  ISSN： 1881-1744  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 春ウド系品種は軟化茎の形態や品質に優れるが,根株の休眠性が強い。10~12月の伏せ込みでは,ジベレリンを用いた促成軟化栽培を行っても充分な休眠打破が難しく,収量・品質が低下するため,促成軟化栽培に適した品種の育成が求められていた。そこで,軟化茎の形態や品質は劣るものの休眠性の弱い寒ウドを育種素材に用いた交配育種を試み,F₁系統の作出と休眠性評価を行った。まず,花の形態の継時的調査および交配試験を行った結果から,ウドの花は雄性先熟の性質を有すること,雌性期の開花7日目が交配適期であることがわかった。次に,春ウド「都」と寒ウド「湖北系2」を交配して得たF₁21系統および両親品種について,根株養成期および11月伏せ込みの促成軟化栽培における形態や品質に関する諸特性を詳細に調査した。その結果,休眠性,ジベレリン反応性,軟化茎の形態や品質など多くの形質において,F₁が多様な集団となることが判明した。F₁は概ね両親の中間的な弱休眠性を有し,ジベレリン反応性については両親より優れる傾向であった。また,F₁の中には軟化茎の収量や形態・品質の優れる系統があった。以上のことから,ウドの交配を適切な時期に行うことで,効率的な実生の作出が可能であることが明らかになった。また,「都」と「湖北系2」のF₁は,促成軟化栽培に適する弱休眠性品種を育成するための育種素材や,ウドの休眠性機構を解明するための研究素材として有用と考えられた。(著者抄録)

シソーラス用語： *タラノキ属 ,  *作物育種 ,  一代雑種 ,  植物生理 ,  発生生理 ,  キャラクタリゼーション ,  促成栽培
準シソーラス用語： *ウド ,  品種育成 ,  *野菜育種 ,  植物休眠 ,  特性評価

分類 (2件)： 作物の品種改良  (FC02030G) ,  野菜  (FC03043X)

引用文献 (17件)：

• 井田昭典(2009)農業技術体系 野菜編第11巻 特産野菜・地方野菜(農文協 編).農山漁村文化協会,東京.p.27-29.
• 今津 正・大沢考也 (1958) ウドに関する研究-第1報-.園学雑 27:28-30.
• 鵜沢玲子・沼尻勝人・松尾 哲・今西俊介・菊池 郁・本田一郎 (2012) ウドの芽の休眠時期と内生 ABA 濃度の品種間差.園学研 11:157.
• 岡崎恵視・橋本健一・瀬戸口浩彰 (1999) 花の観察学入門-葉から花への進化を探る-.培風館,東京. p.110-113.
• 川村眞次 (2001) 新編野菜園芸ハンドブック (西 貞夫監).株式会社養賢堂,東京.p.922-929.

タイトルに関連する用語 (5件)： 春 ,  ウド ,  系統 ,  休眠 ,  評価