抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水田における有機質資材由来窒素の動態を重窒素(
15N)による直接的な追跡手法により明らかにする目的で,
15Nで標識した有機質資材の施用試験を行い,長期連用試験における施用有機資材と土壌の重窒素自然存在比(δ
15N値)の関係を検討した。その結果,有機質資材の分解率の評価法であるガラス繊維ろ紙法において,窒素量に基づき評価される従来の窒素分解率は,必ずしも有機質資材由来窒素の分解率を示さないことが明らかとなった。暖地水田における7種類(牛ふんオガクズ堆肥,鶏ふん堆肥,乾燥豚ぷん,稲わら堆肥,米ぬか,稲わら,小麦わら)の有機質資材由来窒素の収支が生育時期別に明らかとなった。牛ふん堆肥との併用により,無機質肥料のみならず有機質資材も緩効化され得ることが明らかとなった。寒冷地水田における牛ふんオガクズ堆肥由来窒素の収支を3年間にわたり検討した結果,堆肥を由来とする窒素の無機化とその水稲による吸収が温度に依存することが明らかとなった。さらには,長期連用試験におけるδ
15N値の推移から,水田土壌のδ
15N値は化学肥料や有機質資材として施用される窒素のδ
15N値とその蓄積量の影響を受けること,天然供給される窒素の影響も受けることが明らかとなった。(著者抄録)