文献

J-GLOBAL ID：201002286660612703   整理番号：10A0401359

北海道長流川流域における鉱床・熱水変質帯と重金属類の流出に関する調査

Geochemical Research for Heavy Metal Contents and Leaching Ability of Hydrothermal Alteration Zone in Osaru River Basin, Hokkaido

著者 (5件)： 原淳子 (産業技術総合研 地圏資源環境研究部門) ,  垣原康之 (北海道地質研) ,  川辺能成 (産業技術総合研 地圏資源環境研究部門) ,  井本由香利 (産業技術総合研 地圏資源環境研究部門) ,  駒井武 (産業技術総合研 地圏資源環境研究部門)
資料名： 応用地質  (Engineering Geology)
巻： 51  号： 1  ページ： 31-42  発行年： 2010年04月10日 
JST資料番号： G0269B  ISSN： 0286-7737  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本報告では,支流域に多くの鉱床・熱水変質帯が分布する北海道長流川流域を調査対象地域として,鉱床・熱水変質帯が深度50cmほどまでの表層土壌中の重金属類濃度にどのような影響を与えているのか調査,検討を行った。各鉱床・熱水変質帯には亜鉛,砒素,鉛,銅,ニッケルなどの重金属類に富む岩石が多量に分布した。変質帯からの重金属類の影響は各支流域に分布する表層土壌には少なく,河川堆積物を母材とする下流域で砒素の溶出率が高い表層土壌が確認された。砒素はその物理化学特性から河川を介して溶解と変質鉱物への吸着・沈殿を繰り返しながら移動しうる。ところが供給源となる変質帯から河川への砒素の流出ポテンシャルは変質帯の性状および露頭環境に依存して異なり,本調査地域では河川沿いの露頭に褐鉄鉱鉱床変質帯の分布する紫明川,弁景川でのみ高濃度の流出を示した。(著者抄録)

シソーラス用語： 北海道 ,  *河川流域 ,  *熱水変質作用 ,  *重金属 ,  表層土 ,  河成堆積物 ,  褐鉄鉱
準シソーラス用語： *熱水変質 ,  *重金属類 ,  表層土壌 ,  河川堆積物

分類 (3件)： 重金属調査測定  (SB02070I) ,  重金属とその化合物一般  (SB05021R) ,  鉱床学一般  (DE09010L)

引用文献 (25件)：

• 1) 神賀誠・田切美智雄 (2003) : 渡良瀬川流域および宮田川流域の河川堆積物と土壌の汚染の現状 : 足尾銅山と日立鉱山の閉山後の汚染レベル, 地質學雜誌, Vol.109, No.9, pp.533-547.
• 2) 寺島滋・太田充恒・岡井貴司・今井登・御子柴(氏家)真澄 (2004) : 東海・沖縄地域の非沖積土壌の母材と元素の地球化学的研究, 地球科學, Vol.58, No.5, pp.317-336.
• 3) 岩佐知洋・浦瀬太郎 (2005) : 調査報告 雨水ます中の堆積泥に含まれる重金属の濃度分布, 水環境学会誌, Vol.28, No.10(通号288), pp.637-641.
• 4) GOLDBERG, S. and GLAUBIG, R. A. (1988) : Anion sorption on a calcareous, montmorillonitic soil-Arsenic, Soil Science Society of America Journal, Vol.52, pp.1297-1300.
• 5) 石川靖・斉藤修・濱原和広 (2003) : 休廃止鉱山から排出される重金属濃度の長期変動. 北海道環境科学研究センター所報, Vol.30, pp.67-107.

タイトルに関連する用語 (7件)： 北海道 ,  流域 ,  鉱床 ,  熱水変質 ,  重金属類 ,  流出 ,  調査