抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
三重県伊賀市の服部川河床に露出する上野層上部と伊賀層下部の15層準から大型植物化石を採集し,材化石については小口・柾目・板目切片の顕微鏡観察を基に同定した。上野層からは材化石20点を採集し,マツ科トウヒ属,ヒノキ科スギ型・ヒノキ型,カバノキ科ハンノキ属を同定した。伊賀層下部から材化石121点を採集し,マツ科モミ属・トウヒ属,ヒノキ科スギ型・ヒノキ型,ツゲ科ツゲ属,マンサク科,ニレ科ケヤキ属,カバノキ科ハンノキ属を同定した。また伊賀層下部の最上位2層準ではヒシ属果実136点とスイレン科地下茎6点を採集した。上野層上部は湖沼・湿地性堆積物であり,材化石に摩耗が見られるなどの保存状態から,堆積地周辺から湖沼や湿地に流入したものと考えられる。伊賀層下部は河川環境から次第に水深の浅い湖沼環境に変わり,水生植物が生育するような静水域が存在したと推定される。