抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ベクトルプロセッサにおけるピーク演算性能に対するメモリバンド幅(Bytes/Flop,以下,B/F)は年々減少している。このため近年のベクトルプロセッサは,低下するB/Fを補うためにキャッシュメモリを搭載している。本研究の目的は,キャッシュメモリを有するベクトルプロセッサにおいて高い実行効率を実現するプログラム最適化手法を確立することである。複数のプログラム最適化手法を適用する場合,各々の最適化パラメータにおいてトレードオフが存在する。さらに,これらの最適化を併用する場合には互いの最適化パラメータが影響しあうため,体系的に最良のトレードオフを探索するプログラム最適化戦略が求められる。本論文では,キャッシュを有するベクトルプロセッサの性能を引き出すためのプログラム最適化戦略を提案する。最適化戦略では,最適化の対象となるプログラムのボトルネックをルーフラインモデルにより解析し,ボトルネックを改善する最適化手法を対象プログラムに施す。また,最適化手法として本論文では,ループ変換によるプログラム最適化であるループアンローリングとキャッシュブロッキングに着目する。さらに適用する最適化パラメータは,グリーディサーチアルゴリズムによる探索で決定する。そして,複数のアプリケーションを用いて実効性能と消費エネルギーを評価し,本提案手法の優位性を示す。評価結果より,提案手法を用いることで実効性能が改善でき,さらに消費エネルギーを大幅に削減できることが明らかになった。(著者抄録)