抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ダイヤモンライクカーボン(DLC)膜は,高硬度,低摩擦係数,高耐摩耗性といった優れた機械的特性のため,魅力的な材料である。ポリマー材料に対してDLC皮膜の適用を広げるためには,被覆プロセス間の温度の低下が必要である。二極式パルス型PBII(プラズマベースのイオン注入)システムで,いくつかの材料上でのDLC皮膜を調査してきたが,それは正と負の(または二極式の)パルス発生器とタイミングコントローラから成る。スルーレートが以前の発電機のそれより数倍大きい新規な二極式パルス発生器と,1μs未満の極めて短いパルスを作ることができるコントローラを,最近導入した。パルス発生器とコントローラを使って,多くの産業で広く使われている,フッ素ゴムへのSi取込みDLC(Si-DLC)皮膜の製造を試みた。新規パルス発生器とコントローラを使って,約1μsの非常に短い幅の正のパルスを製造でき,Si-DLC被覆の間約30Kに温度を低下できた。低温では,試料表面にわずかのひだを形成する。光学インデント顕微鏡システムを用いて,未被覆及びSi-DLC被覆フッ素ゴムのマイヤー硬度(H
M)を測定したが,Si-DLC被覆ゴムのH
M値は,未被覆ゴムのそれより約1.4倍大きい。Si-DLC被覆ゴムの摩擦係数は0.2~0.25で,未被覆ゴムの1.3~1.9に対し大幅に減少した。未被覆フッ素ゴムの摩耗は明瞭であるが,フッ素ゴム基板のクリープ効果を除いて,Si-DLC被覆ゴムの摩耗はみられなかった。カウンターSUJ2ボール表面も,ほとんど摩耗を示さなかった。Si-DLC被覆は,低摩擦と低摩耗のフッ素ゴムのトライボロジー特性を作ることができる。Si-DLC被覆は,多くの応用に非常に役立つ。Copyright 2011 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.