抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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兵庫県の須磨海浜水族園にカメの飼育施設を設け,市民がミシシッピアカミミガメを持ち込む制度を作った。2010年8月から2011年3月までに持ち込まれたアカミミガメは1109個体で,うち購入飼育個体が532個体,野生飼育個体が229個体,野生個体は348個体だった。大阪と兵庫から持ち込まれた個体が全体の80%を占めた。腹甲長(PL)は雌の購入飼育個体と野生飼育個体が171mm,野生個体が180mmで,雄のPLは購入飼育個体が138mm,野生飼育個体が128mm,野生個体が141mmだった。PL100mm未満の幼体率は購入飼育個体が12%,野生飼育個体が36%,野生個体が26%で,雌の割合は購入飼育個体が0.17,野生飼育個体が0.17,野生個体が0.30と,野生個体で有意に高かった。購入飼育個体の入手先はペットショップが46%,露店が32%,譲渡が9%で,飼育年数は購入飼育個体の方が野生飼育個体より長い傾向を示した。野生個体の捕獲場所は川53%,池28%,陸上8%だった。これらの結果からアカミミガメの大きさは原産地の北アメリカと同等で,幼体率が野生飼育個体で高いことから野外で繁殖している可能性を示唆した。アカミミガメの輸入を規制し,衝動的な購入を抑制し,駆除をすることにより,日本の淡水生態系への影響を抑えるべきである。