抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,仮想計測技術としてプロセス産業で活躍しているソフトセンサについて紹介する。ソフトセンサの目的は,オンライン測定できない品質などの重要変数をオンライン測定できる変数から推定することにある。ソフトセンサの実体は,入力変数と出力変数の関係を定量的に表現するモデルであるから,モデル構築が成功の鍵を握る。モデルには,物理・化学的な法則(現象論)に基づいて現象を数式で表現する第一原理モデル(あるいは物理モデル)と,測定データを表現するのに都合が良い数式を用いる統計的モデルがある。物理モデルが構築できる場合には,物理モデルを,表現しきれない部分を統計的モデルで補うというモデル化方法があり,このようなハイブリッドをグレーボックスモデルと呼ぶ。ソフトセンサは現在,様々なプロセス産業で使われている。例えば石油化学産業では,蒸留塔の運転データ(温度や圧力などの時系列データ)から濃度を推定できるモデルを構築して,これを分析機器の代わりに利用している。モデルの構築には,重回帰分析が利用されていることが多いが,最近では多重共線性を回避できるPLS(Partial Least Squares)と呼ばれる線形回帰手法を利用するのが一般的になってきた。その他,鉄鋼産業,半導体産業,製薬産業での利用例を紹介した。