抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在,月着陸計画SELENE-2の検討が進められている。更にその先に目指すサンプルリターン計画やネットワーク観測による内部構造探査,有人月探査計画も含めて,各々のミッションを着実に実現し,得られる理学成果から月の理解を積み上げ式に発展させるためには,一連の月探査計画の骨組みとなる理学目標の設定が必須であることは言うまでもない。一方で近年の月探査データの解析研究,月試料の分析研究から新たな観測事実が得られるにつれ,月の理解はますます複雑化してきたように思われる。そのため専門家の間でも月科学の全体描像の整理と将来月探査で狙うべき科学対象の整理が十分にできていないのが現状である。そこで我々は月科学における理解の現状の整理を目的として,月の歴史図の作成を進めている。本稿ではその最新版を紹介するとともに,月の起源・進化解明に向けて月科学の目指すべき方向性について議論したい。(著者抄録)