抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
ここでは,1990年以降考古学の分野で本格的に導入されるようになった残存デンプン粒分析について解説した。まず分析の対象について,残存デンプン粒分析では遺跡土壌や遺物から植物由来のデンプン粒を検出し,古環境や植生,また人間の植物利用を復元する研究が行われていることなどを述べた。次に石器から試料を採取する道具や方法を紹介しながら,分析の方法について説明した。さらに,現生植物のデンプン粒標本と比較し類似性をみる現行の植物同定では,利用可能な基準が非常に少ないという課題があり,そのため残存デンプン粒の形態分類を用いた植物種の同定の研究が進められていることなど,研究の現状について説明した。また,著者らの日本の遺跡を対象とした形態分類法を提示し,実際の遺跡の分析事例を紹介した。