抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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運輸部門は,人々の生活や産業の経済活動を支える重要な産業である。一方で,国内CO
2排出量の約2割を占める環境負荷の高い産業である。2010年度の同部門CO
2排出量は,1990年比で6.9%増加しており,経済と環境を両立した持続可能性の高い運輸部門の実現が重要となっている。本研究では,運輸部門の持続可能性を評価するための基礎資料として,自動車運輸部門と鉄道運輸部門を対象に,資源消費の変遷を明らかにすることを目的とした。自動車運輸部門の資源消費量は,道路建設と自動車製造に関する資源消費,自動車の走行に投入されるエネルギー消費量とした。道路建設における資源投入量では,骨材が最も多くなった。自動車車両製造では,鉄鋼の投入が最も多く,投入量合計はやや減少気味である。自動車燃料の消費量は,全体で増加した。特にガソリンの消費量の伸びが大きい。鉄道軌条建設でも骨材の資源消費が多く,9割以上を占めている。車両製造においても自動車と同様に鉄鋼の消費量が多いが,その減少は顕著である。鉄道車両走行時においてエネルギー消費は電力の消費が最も多く,近年は横ばいである。インフラ建設,車体製造,車両走行を含めた自動車輸送と鉄道輸送の環境効率を比較すると,鉄道の環境効率が自動車のそれよりも9倍がよいことがわかった。(著者抄録)