抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本報では,子育て世帯の多様なライフスタイルを実現するための都市と交通のあり方について,特に子育て中の親の日常生活とバリアに焦点を当てて,考え方を紹介した。子育て世帯のバリアとしては,1)交通システムに関するバリア,2)活動機会に関するバリア,3)子育て支援サービスに関するバリア,4)子どもの存在によるスケジュール制約に関するバリア,5)子育て生活に必要な情報に関するバリア,6)子育てや子ども連れ外出に対する人々の意識・理解に関するバリアがあると考える。これらのバリアを緩和するには,子育て世帯の「活動・交通パターン」における「移動」と「活動」,「子どもなし」と「子ども連れ」の組み合わせによって考察する必要がある。たとえば,子ども連れ外出において,ベビーカーで公共交通機関を利用する際の6か国の首都でのアンケート調査を見ると,日本では,他国と比較してベビーカーで公共交通を利用するのが困難な状況が浮き彫りになった。すなわち,公共交通システム自体の改善のみならず,周囲の乗客の子ども連れに対する意識や理解の向上も必要であることが示唆された。