抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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イグサ(Juncus effusus L.var.decipiens Buchen)は歴史的に腎炎や皮膚炎などの疾患に対する薬草として用いられてきたものの,その健康増進作用における科学的なメカニズムは未だ明らかにされていない。われわれは酸化防止の観点よりイグサの機能性について調査を開始することとし,本研究では2011年6月と7月に収穫された4種類の異なるイグサ品種が酸化モデルである1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl(DPPH)ラジカルに対して抗酸化作用を有するか調べることとした。試験に供した4品種のイグサ抽出物のなかで,6月収穫の「いそなみ」が最大のラジカル消去活性を示し,最低値であった同時期収穫の「ひのみどり」の1.66倍高い値が得られた。「ひのみどり」および「ひのはるか」の2品種は,6月収穫よりも7月収穫のもので高い抗酸化活性を示した。総フェノール含量を測定した結果,6月収穫の「いそなみ」が最大の総フェノール含量を示し,最低値を示した同時期収穫の「ひのみどり」の1.91倍高い値が得られた。「岡山3号」と「ひのみどり」の2品種は,6月収穫よりも7月収穫のもので高いフェノール含量を示した。このとき,イグサのDPPHラジカル消去能と総フェノール含量との間には有意な正の相関性が認められた。以上より,イグサのフェノール性化合物類はその抗酸化能に寄与するものと思われるものの,品種や収穫時期によって異なることが示唆された。(著者抄録)