抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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クラウドサービスでユーザに提供される仮想マシン(VM)の仕様は,プロセッサコア数やメモリ容量などで表現されるが,同じ仕様でもその実効性能には大きなばらつきがある。したがって,ユーザが目的の性能を経済的に達成するためには,あらかじめVMの性能を正確に把握することが重要である。クラウドの提供するVM性能は短期的なバラつきが大きく,中・長期的な性能変動も存在するため,VM性能の把握には高頻度かつ継続的な性能測定が必要である。このため,ユーザがクラウド事業者と契約してVM性能を測定する場合,ユーザのコスト負担が問題となる。一方,クラウド事業者が自身でVM性能を測定しこれを公開する場合,事業者が性能情報に水増し偽装を行う恐れがあり,性能情報の信憑性が問題となる。本論文では,これらの問題を解決するために,VMの性能情報をクラウド事業者が公開し,公開情報の信憑性をユーザが抜き打ち測定により検証する方式を提案する。仮に抜き打ち測定を1年ごとに7日の頻度で行うとすると,提案方式の測定コストは,ユーザがVM性能を単独で測定する方式の約1/50に改善される。クラウド事業者が公開するVM性能情報の信憑性は,抜き打ち測定により得られた性能情報と公開情報を照合し,両者のあいだの有意差の有無を仮説検定により検証する。評価実験では,公開情報に数%の水増し偽装を施したとき,168個のサンプル取得(1時間に1回の測定を7日間行うことに相当)によりほとんどのケースで偽装の検出が可能であることが確認できた。提案方式を導入することにより,ユーザは信憑性の高いVM性能情報を低コストで取得可能になるといえる。(著者抄録)