抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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未観測流域における降雨流出解析に対して,再解析データおよび全球降水量データがどの程度実用上有効であるかを検討した。西アフリカの国際河川であるボルタ川(400,000km
2)を研究対象流域とし,NCEP1,NCEP2,およびERA Interimの3再解析データから日単位の降水量と蒸発量データを選択し,さらに衛星観測を利用したGPCP全球降水量データを用いた。まず,再解析データと全球降水量データの精度を検証する目的で,観測日降水量データと比較した。ついで,水収支モデルのHYMOD,河道モデルのWTMを組み合わせた水文モデルへの入力データとして,3再解析データ,GPCP全球降水量データおよび観測降水量の5データセットを用いて河川流量をシミュレートした。パラメータ同定には,大域的最適化手法の一つである進化戦略を適用した。観測降水量データとの比較では,3再解析データは季節的変動の再現性がある程度あるが,年年変動の再現性は悪かった。衛星データに基づくGPCPデータは,季節的変動と年年変動の再現性が良く,調べたデータセットの中で最良であった。河川流量のシミュレーション結果では,観測流量との二乗平均平方根誤差(RMSE),相対誤差,および水収支誤差で評価し,GPCPの降水量データとERAの蒸発量データを用いた結果が最良であることを示した。この結果より,未観測流域水収支解析に対して,GPCPの降水量データとERAの蒸発量データを用いた気象データセットを用いることは実用上十分な再現精度が得られると結論付けた。