抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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国際収支統計の対外直接投資(地域別)データでは,2011年の中国直接投資額は1兆46億円で,対ASEAN直接投資額は1兆5491億円と前年比でほぼ倍増となり,対中国を上回った。ASEAN各国の一人当たりGDPは向上しており,それを背景に,ASEAN地域は生産拠点としてだけでなく消費拠点としても位置付けられるようになってきた。なかでもインドネシアは,これから経済発展が本格化することが期待されている。本稿では,インドネシア小売市場を取り上げ,そのなかでも食品・日用品を研究対象とした。食品・日用品小売市場は伝統的に現地で受け継がれている食文化や生活習慣と結びついていることから,現地の固有性が強く反映されていると考えられる。まず企業の国際化戦略の研究領域で議論されている標準化と現地化という従来の分類と,地域化(リージョナリゼーション)という従来とは異なる考え方を踏まえ,ASEANを含むアジア地域で展開する外資系小売企業をアジアリージョナル企業と位置づけて検討を進めることを提示した。次にインドネシアのマクロ経済を概観したうえで,同国における食品・日用品小売市場の状況を整理した。続いて現在の同小売市場の現況をかたちづくった要因のなかで,流通形態の近代化と外国資本規制政策を中心に取り上げ。それを踏まえてインドネシア市場をはじめアジア地域で展開するアジアリージョナル小売企業について,Dairy Farmグループを取り上げ,インドネシア市場での店舗展開について考察した。