抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヒューマンコンピュテーションは計算品質における不確実性が大きく,品質を確保する手段が必要である。本論文では,ヒューマンコンピュテーションで計算を担う人間(ワーカ)の計算精度を高める手法,及び個々のワーカが間違っていても全体としての精度に影響させない誤り訂正方法について解説した。前者には,1)ワーカの能力を測る指標を用いたワーカの選択,2)項目反応理論を用いてタスクの難易度を考慮したワーカの評価,3)ワーカによる作業品質の自己申告の利用,4)動機付けやインセンティブの付与による品質向上,5)作業過程のモニタリングによる品質管理といった方策がある。また,後者としてはワーカの能力によって重みを付けて多数決をとる方法が挙げられるが,実際には正解がわかっていないデータに関するワーカの作業結果から,ワーカの能力推定と正解の推定を同時に行う必要がある。具体的に,i)正解を隠れ変数としてEM法で解くDawid-Skeneの方法,ii)タスクの難しさを考慮するWhitehillらの方法,iii)i)を拡張してタスクに対するワーカの自信を考慮するモデルを示した。さらに,品質管理プロセス全体を最適化するためにラベルの不確実性を計算してタスク選択を効率化する方法,及び能力の違いを考慮してワーカ選択を効率化する方法を紹介した。