経時的トランスクリプトームプロファイリングはコムギ(Triticum aestivum L.)における熱および渇水への順応に寄与する相同遺伝子の発現の分割を明らかにする

LIU Zhenshan; XIN Mingming; QIN Jinxia; PENG Huiru; NI Zhongfu; YAO Yingyin; SUN Qixin

文献

J-GLOBAL ID：201502207512242808 整理番号：15A0829258

経時的トランスクリプトームプロファイリングはコムギ(Triticum aestivum L.)における熱および渇水への順応に寄与する相同遺伝子の発現の分割を明らかにする

Temporal transcriptome profiling reveals expression partitioning of homeologous genes contributing to heat and drought acclimation in wheat (Triticum aestivum L.)

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資料名：
巻： 15 号： June ページ： 15:152 (WEB ONLY) 発行年： 2015年06月
JST資料番号： U7027A ISSN： 1471-2229 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：イギリス (GBR) 言語：英語 (EN)

背景。六倍体コムギ(コムギTriticum aestivum)は世界的に重要な作物である。熱,渇水およびその組み合わせはコムギの収量と品質を著しく低下させるが,過酷な環境,特にストレスの組み合わせに対するコムギの耐性の根底にある分子メカニズムは不明な点が多い。異質六倍体の場合,コムギは3種の近縁種であるサブゲノム(A,B,およびD)で構成され,四倍体に比べてストレス条件に対する耐性が向上していることが報告された。しかし,これまでのところ,コムギがどのように全ゲノムレベルで様々な環境的制約に対処するために相同遺伝子の発現を調整するのかについてはほとんど知られていない。結果。個々のおよび組み合わせたストレスに対するコムギの転写応答を調査するために,著者らは,通常の条件下で実生のハイスループットトランスクリプトームシークエンシングを行い,渇水ストレス(DS),熱ストレス(HS)およびそれらの組み合わせ(HD)に1時間および6時間さらし,これらの3種のストレスに応答した全般的遺伝子発現の再プログラムを提示した。DS,HSおよびHD応答遺伝子の遺伝子オントロジー(GO)濃縮分析は,お互いの機能的経路の重複および複雑性を明らかにした。さらに,4375種のコムギの転写因子がIWGSC(国際コムギゲノム解読コンソーシアム)によって公表された足場(scaffold)情報を基に全ゲノム規模で同定され,1328種がストレス処理に応答した。次いで,HSF(熱ショック因子)とDREBの調節ネットワーク解析は,これらが両者ともDS,HSおよびHD応答の制御に関与することを暗示し,熱および渇水ストレス間のクロストークを示した。最後に,相同遺伝子の約68.4%がDS,HSまたはHDに応答して発現の分割を示すことが見出され,これはさらに定量的RT-PCRおよび零染色体-四染色体系統を用いて確認された。結論。コムギの相同遺伝子の大部分は,通常および非生物ストレス下で発現の分割を示し,これはおそらく,様々な環境的制約に応答した六倍体コムギの幅広い適応性と分布に寄与する。(翻訳著者抄録)

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植物生態学 , 遺伝子発現

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