抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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長岡市寺泊町の所在する諏訪田遺跡は,弥生中期後半を中心とした玉作遺跡として知られている。この遺跡より出土したライトブルーのガラス棒状品の色合いは,弥生時代における青色ガラス小玉の淡青色の色調に類似するが,その形状は国内では他に出土されていない特異な形状である。本研究では,このガラス棒状品の由来を知るため,蛍光線分析装置により化学的な組成分析を行った。得られた知見を以下に示す。1)本資料の化学組成は,二酸化珪素約50wt%,酸化鉛約37wt%,酸化カリウム約9wt%,酸化アルミニウム約2wt%であった。2)本資料はカリガラスよりもカリウム鉛ガラスに類似している。銅が呈色剤として用いられていると見られる。3)カリウム鉛ガラスは,11世紀に中国からもたらされて以降,平安後期のガラスに使用されてきた。4)以上の結果より,このガラス製品は弥生時代のものではないと判断すべきである。