抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,自発的・持続的な行動変革を誘発するためのアプローチとして,ゲーミフィケーションが着目されている。ゲーミフィケーションはゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を,ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用するものとして定義される。このゲーミフィケーションを活用して,多数のユーザの行動変容を促すことで,社会的な課題を解決する活動が生まれている。本稿は,このような社会的課題の解決にゲーミフィケーションを活用することに関して述べている。従来の社会課題解決型のゲーミフィケーションは,ウェブ作成者など特定の作者が作成した仕組みを使って,ユーザの行動を喚起するために利用されることが多かった。しかし,個々のユーザやコミュニティが抱えている課題は多種多様であるため,課題解決の観点では,本質的課題をとらえることが難しい。課題を抱えるユーザ自身が行動をデザインすること,必要に応じて改良可能な参加型の仕組みが必要である。そこで,課題を持つユーザ自身による課題解決のための自発的・持続的な行動の設計と実行をゲーミフィケーションを利用して支援する仕組みを提案する。我々は,参加者が自らの課題に取り組むためのゲームを設計するワークショップを設計・実践し,さらに,そのアイデアをゲームにして実行に移すことができる,ゲーミフィケーション・プラットフォームと呼ぶウェブサービスを試作した。ゲーム作りのワークショップを計3回実施し,48名が参加した。プラットフォーム上には9つのゲームが作成され,ゲームプレイを通じて827個の行動がなされた。本稿では,これらの結果をふまえ,動機づけ,能力,誘因という3つの観点から自発的・持続的な行動を生み出すための課題について考察する。(著者抄録)