抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,OSSをソフトウェア製品の一部として再利用することが一般的になりつつある一方で,開発元のOSS開発コミュニティが継続するのかどうかが不透明なためOSSの利用を躊躇する企業が少なくない。OSS開発では,ボランティアの開発者が中心となり,メールや掲示板を用いた非対面環境下でのコミュニケーションが主たる情報伝達手段となる。したがって,OSS開発コミュニティが持続的に進化する上で開発者間のコミュニケーションの質(円滑に意思疎通が図れるようにする工夫など)が極めて重要になるものと思われる。これまで,OSS開発コミュニティの進化そのものについては数多くの研究がおこなわれてきたが,開発者間のコミュニケーションの質的側面,特に,コミュニケーションの様式(本研究では,対話者を配慮する表現形式)とOSS開発コミュニティの持続的進化に焦点を当てた分析はほとんどない。本研究では,人間関係を維持するために対話者への配慮(本研究におけるPoliteness)を込めた言語的表現を定量化するPoliteness分析を適用したケーススタディをおこなった。本稿では,20年以上の歴史を有するApache HTTPD Severプロジェクトのトップ開発者10名の総計123,538件分のコミュニケーションデータ(開発者メーリングリスト上でのメールデータ)を対象にPoliteness分析を適用した結果について考察するとともに,今後の分析指針について議論する。(著者抄録)