抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
便利なロボットではなく,少し手の掛かるような(弱いロボット)の研究を進めてきた。実例として,「ゴミ箱ロボット」と「トーキング・アリー」ロボットについて紹介した。公共施設の中をトボトボと(ゴミ箱ロボット)が歩いている。このロボットは,ゴミを入れてもらうと軽くペコリとお辞儀をする。それに気を良くして,子供達は懸命にあたりのゴミを探す事になり,子供達のアシストをうまく引き出しながら,結果としてゴミを拾い集めることになる。次に,相手の目を気にしながら,たどたどしく話すロボット「トーキングアリー」について紹介した。相手に対して,非流暢な発話よりも,流暢な発話であることを求めてきたが,ロボットからのたどたどしい非流暢な発話を耳にしてみると,これはこれで面白く,何か懸命に聞いてもらおうという意志を感じる。そして,丁寧さや優しさも伝わってくる。そのたどたどしさや弱さは,人間のアシストを上手に引き出したり,一緒に発話つくり上げるための参加の余地を残してくれる。これらは,外に開いたオープンなシステムであり,弱さを内包する不完結なシステムである。他者の関わりを引き出しながら,一緒に価値あることを生み出している(=生成的な関わり)。くわえて,そこに関わった人もなんとなく嬉しいという気分になれる(=相互構成的な関わり),そんな共通点がある。