抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
金属粉末射出成形(metalinjection molding : MIM)プロセスは,粉末冶金法(P/M)とプラスチック射出成形法を組合わせた金属部品の製造技術である。ここでは,MIMプロセスの概要と研究開発の動向について述べた。1)MIMプロセスの基本は,混練(金属粉末,熱可塑性樹脂,ワックス,可塑剤,結合材からなる多成分系のバインダの混合・混練後,造粒によりペレット状の原料化)-射出成形(原料中のバインダを加熱により可塑化・流動化した原料を金型内に射出し,成形体化)-脱脂-焼結からなる,4つの工程からなり,最終製品の形状をネットシェイプで作製できる。2)MIMの活用分野の動向は,日本の場合,ステンレス鋼,鉄系,磁性材料,チタン合金,他合金を材料にした,複雜形状の小型部品,機械部品,医療部品,自動車部品などが主な対象である。3)近年のMIMの研究・開発動向について,2016年開催の粉末冶金の世界会議における盛況の一端を紹介した。4)チタン合金の疲れ強さ向上を図るため,結晶粒微細化にチタン合金の微粉末の活用やTiB
2粉末の添加を試み,成功した例を紹介した。5)MIM大型部品のたわみや変形などの課題を克服する品質向上が,平均粒径の異なる粉末の組合わせ,各種の粒度分布を有する材料の準備次第で可能となることを紹介した。6)現在の課題や今後の技術発展に向けた方向性について,MIMの工業的な課題が各種の工業分野まで,広く知れわたっていないことをあげた。