抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高齢者は活動意欲が低下しやすく,仕事や趣味などの活動をしなくなると身体・認知機能がさらに低下するので,意欲をもたらす活動を選択・支援することが重要である。本論文では,高齢者のデータから意欲をもたらす活動を導き出すAI(Artificial Intelligence)の実現を目指し,1)分析的アプローチ,2)実験的アプローチによる研究事例を紹介した。まず,1)として重度認知症者デイケア施設でのベテラン介護スタッフの利用者との会話,及びインタビューを分析して個々の利用者に合わせて作業の内容ややり方をアレンジ(個人化)する過程を明らかにした。その結果,ベテランスタッフによる観察ポイントを体系的にまとめるとともに,利用者の言動や作業の出来具合をセンサで数値化してベテランスタッフの判断を正解として学習するAIによるスタッフ支援を検討した。次に,2)として練習によって達成感が得られるピアノの演奏を題材とし,認知機能に障害のある初心者の意欲を引き出す模範演奏の提示方法について考察した事例を示した。具体的には,下向きのディスプレイと電子ピアノ間にハーフミラーを置き,模範演奏の指が上下に動くCG(Computer Graphics)の手に自分の手を重ねながら練習させたところ,ピアノを弾く意欲がもたらされることが確められた。