抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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スギ幼齢木と雑草木との競合関係を明らかにするため,毎年下刈りが実施された林地において,スギの植栽年とスギ樹高および雑草木高との関係を調査した。下刈りを繰り返すことによる雑草木高の変化を調査した結果,植栽後3年以上経過すると雑草木高は種ごとに一定の値に収束しており,雑草木の再生ポテンシャルは毎年下刈りによって制限されると考えられた。またスギ植栽木のプロット平均樹高が220cmを越えると,先駆性落葉広葉樹であるアカメガシワやヌルデでは樹高が低下した。これは,スギが成長したことで,これら雑草木が育つのに十分な光が下層へ行き届かなくなったことが原因と考えられた。さらに林地の植生を雑草木の植被率からクラスター分析した3つの群別に,スギ樹高に応じたスギと雑草木との競合状態の変化について検討した。その結果,全体ではスギ植栽木のプロット平均樹高が170cm以上になると,90%以上のプロットでスギ樹冠や梢端が雑草木から露出した。このことから,170cmはその年の下刈りの要不要を検討するタイミングであると考えられた。また3つの植生群では,それぞれ競合状態の変化が異なったため,雑草木の植生辞別に下刈りの要不要を検討することが重要であると考えられた。(著者抄録)