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J-GLOBAL ID:201602279473993701   整理番号:16A0865190

ホットスポット:顕微鏡で観る先太陽系・原始太陽系化学

著者 (1件):
資料名:
巻: 50  号:ページ: 51-66(J-STAGE)  発行年: 2016年 
JST資料番号: G0754A  ISSN: 0386-4073  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 文献レビュー  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
抄録/ポイント:
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炭素含有量が多い炭素質コンドライトには最大で4wt%程度の有機物が含まれており,その大部分が酸を含むあらゆる溶媒に不溶で複雑な構造を持つ高分子有機物(IOM)である。IOMのバルク組成と比較して著しくDや15Nに富む同位体組成を持つ(正の同位体異常を示す)ものが存在し,「ホットスポット」と呼ばれている。ホットスポットはSIMSを用いた二次元同位体イメージング法により,サブミクロンからミクロンサイズの領域として検出され,近年のナノスケール空間分解能を持つ分析法の発展により飛躍的に研究が進んでいる。ホットスポットはさらに,惑星間塵,超炭素質南極微隕石,スターダスト計画により回収された彗星塵でも発見されている。ホットスポットは太陽系誕生以前の星間空間や分子雲,あるいは原始太陽系円盤外縁部の低温環境下で形成され,その後の変成や変質でその特徴を完全に失うことなく生き残ったものと考えられている。本稿では,地球外有機物中のD及び15Nホットスポットに刻まれた記録と,それが示す分子雲や原始太陽系での化学反応,地球外有機物の形成と物質化学的進化を包括的にまとめる。まず,ホットスポットの同位体的特徴と,そのキャリアの形状及び化学組成についての知見を記述する。100~200nmの球状の有機物粒子である有機ナノグロビュールが主要なキャリアであり,主に多環式芳香族炭化水素から構成されていることが報告されている。同位体組成からみる有機ナノグロビュールの起源と形成メカニズムについても記述する。さらに,水素・窒素同位体異常の起源として,イオン-分子反応,塵表面での重水素濃縮機構,N2ガス分子の自己遮蔽効果を議論する。さらに隕石母天体上における化学的進化と同位体比の変化について述べる。最後に,有機ナノグロビュールに付随する鉱物から,ホットスポットが先太陽系と原始太陽系のいずれを起源とするか推定できることを示し,今後の展望について述べる。
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分類 (3件):
分類
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流星,すい星,いん石  ,  有機地球化学  ,  その他の同位体地球化学 
引用文献 (90件):
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  • Alexander, C. M. O'D., Newsome, S. D., Fogel, M. L., Nittler, L. R., Busemann, H. and Cody, G. D. (2010) Deuterium enrichments in chondritic macromolecular material-Implications for the origin and evolution of organics, water and asteroids. Geochimica et Cosmochimica Acta, 74, 4417-4437.
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