抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
オランダにおけるトマトの生産性は非常に高いため,果実収量性に関しては,日蘭品種の比較報告は数多いが,日蘭両品種の食味に着目した報告は殆ど見当たらない。そこで,我々は日蘭両品種間の食味に関連する成分を比較することを目的として,同一条件で日蘭両国の典型的品種を栽培し,主要な呈味成分等の分析に果実を供すると共に,果実収量性データと併せて評価した。トマト果実に含まれる主要呈味成分の日蘭品種間差および品種間の収量比較に関して,長期多段栽培と低段密植栽培で生産した日本およびオランダを代表するトマト品種,「桃太郎ヨーク」および‘「Geronimo」について分析をおこなった。その結果,日本品種の食味がオランダ品種より優れていることを長期多段栽培および低段密植栽培の両栽培法において,具体的な成分含量で示す結果となった。一方,収量性については,いずれの栽培法においても,オランダ品種が日本品種の約1.3倍と優れていた。以上の結果から,供試したオランダと日本の品種を比較する限りでは,トマトの呈味関連成分の含有量と果実収量性とには負の相関があると考えられた。現在までに,多収性オランダ品種と良食味の日本品種を育種素材として,高収量と良食味の双方を併せ持った系統の育種が進められている。このような新規育成系統によって,上述の負の相関が打ち破られることが期待された。