抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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優れた循環性を有する鉄鋼材は,他素材よりも繰返しリサイクルされる可能性が高い。一方で,繰返しリサイクルすることにより,CuやSnなどの不純物濃度が上昇する可能性が指摘されている。本稿では,棒鋼以外の品種も含め,日本で生産される普通鋼に随伴する不純物量を推計した結果を紹介する。普通鋼の生産に随伴する不純物元素のフロー量は,表面に塗布することにより随伴するフロー量f
1,および合金成分として添加することにより随伴するフロー量f
2と,普通鋼スクラップに合金として随伴する不純物としてのフロー量f
3および老廃スクラップに意図せず含まれる普通鋼以外の素材に随伴するフロー量f
4の4つに区別された。f
3,f
4を把握するために,生産鋼材側に含まれる不純物(Cu,Sn,Cr,Ni,Mo)を定量した。日本で生産された普通鋼をランダムに500点程度採取し,元素分析することにより,日本の生産鋼材における品種別の不純物濃度を得た。不純物濃度の平均値と日本における品種別生産量を用いて,日本における普通鋼生産財に随伴するf
3とf
4としての不純物元素量を推計した。日本における普通鋼生産材に随伴する不純物量は,Cu,Sn,Cr,Ni,Moそれぞれ5.5×10
4t,4.6×10
3t,4.2×10
4t,1.7×10
4t,3.8×10
3tと推計された。なお,この中でSnのうち2.7×10
3tとNiのうち8.5×10
2tは表面に塗布される量f
1である。