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J-GLOBAL ID：201702225083602560   整理番号：17A0508311

三陸沿岸域の海洋環境とサケ回帰率の関係

著者 (7件)： 和川拓 (日本海区水産研) ,  玉手剛 (東北区水産研 沿岸漁業資源研究セ) ,  黒田寛 (北海道区水産研) ,  伊藤進一 (東大 大気海洋研) ,  筧茂穂 (東北区水産研 沿岸漁業資源研究セ) ,  山野目健 (岩手県 沿岸広域振興局) ,  児玉琢哉 (岩手県水産技術セ)
資料名： Salmon情報  (水産研究・教育機構研究開発情報)
号： 11  ページ： 3-6  発行年： 2017年03月 
JST資料番号： J0676B  ISSN： 1881-705X  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本稿では,複数の大規模な強い海流が流れ込んでいる三陸沿岸域における海洋環境と秋サケの母川回帰の関係について概説した。筆者らは岩手県沿岸域において,観測された水がどの海流に属するか明らかにする目的で,定線海洋観測を実施した。その結果,冷水(親潮水と沿岸親潮水)と暖水(津軽暖流水と黒潮水)に分けることが可能となり,さらに「暖水比」という指標で暖流の相対勢力を表すことが可能となった。そこで,回帰主群の年齢である4歳魚の回帰率と放流年春季(5~6月)における「暖水比」の関係を調べたところ,有意な相関が認められた。これより,岩手県沿岸域におけるサケ回帰率は,本種の沿岸滞留期における局所的な海洋環境に強く影響を受けることが示唆された。

シソーラス用語： 沿岸 ,  岩手県 ,  *母川回帰 ,  *サケ ,  *海流 ,  海洋環境 ,  *漁場環境 ,  温水
準シソーラス用語： 三陸沿岸 ,  暖水

分類 (3件)： 魚類  (FH02020K) ,  漁場・漁況  (FH03020R) ,  海洋の構造・力学・循環  (DC06030G)

引用文献 (10件)：

• 青木一郎. 2009. 資源の変動性. 『水圏生物科学入門』(会田勝美編), 恒星社厚生閣, 東京. pp94-98.
• Hanawa, K., and Mitsudera, H. 1987. Variation of water system distribution in the Sanriku Coastal Area. J. Oceanogr. Soc. Japan 42: 435-446.
• 入江隆彦. 1990. 海洋生活初期のサケ稚魚の回遊に関する生態学的研究. 西水研研報, 68: 1-142.
• Irvine, J. R., and Fukuwaka, M. 2011. Pacific salmon abundance trends and climate change. ICES J. Mar. Sci. 68: 1122-1130.
• 森田健太郎. 2016. 海洋生物の個体群特性. 『シリーズ 現代の生態学10 海洋生態学』(日本生態学会編), 共立出版株式会社, 東京. pp191-208.

タイトルに関連する用語 (3件)： 三陸沿岸 ,  海洋環境 ,  サケ