文献

J-GLOBAL ID：201702233238268585   整理番号：17A0208237

農薬を変えた農薬~開発ものがたり・日本の創薬力~(9)イソプロチオラン 殺菌剤から昆虫成長制御剤,植物成長調節剤,そして環境ストレス耐性付与剤への新たな展開

著者 (1件)： 大塚隆 (日本農薬 市場開発本部)
資料名： 植物防疫  (Plant Protection)
巻： 71  号： 2  ページ： 110-115  発行年： 2017年02月01日 
JST資料番号： G0617A  ISSN： 0037-4091  CODEN： SHBOA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： イソプロチオランは日本農薬(株)がいもち病防除剤として開発した薬剤であり,1974年に農薬登録を取得した。本剤のいもち病防除剤としての開発の経緯やいもち病以外の分野(白紋羽病や縮物成長調節(PGR)効果)への適期用拡大の経緯,本剤の作用機作及び育苗箱処理剤への展開などを紹介する。本剤の開発は1960年代に始まった。理想的ないもち病防除剤の開発を目指して浸透移行性を評価する新しい試験系を作り選抜を進めた結果1968年に本剤を発見・選抜した。本剤の実用性評価から企業化の経緯を紹介する。本剤の普及を進める中で発見された作用を発展させたことが,果樹の白紋羽病,イネのムレ苗防止,登熟向上や白未熟粒発生軽減,花きの発根促進などのPGR効果への適用拡大,ウンカ類防除剤ブプロフェジンの開発につながっている。本剤は環境ストレス耐性に関与している可能性が示唆されており,環境ストレス耐性付与剤を目指した評価を開始している。

シソーラス用語： *農業殺菌剤 ,  *いもち病 ,  昆虫成長調整剤 ,  植物成長調整剤 ,  作用機序 ,  農薬耐性 ,  研究開発 ,  オレフィン化合物 ,  硫黄複素環化合物 ,  カルボン酸エステル ,  ジカルボン酸
準シソーラス用語： 環境ストレス耐性

分類 (1件)： 微生物に対する農薬  (FB06040Q)

物質索引 (1件)： イソプロチオラン

引用文献 (5件)：

• 郷田秀樹・阿部知子・吉田茂男(2005):日本農薬学会第30回大会要旨集:p.106
• 草島美幸・宮嵜 樹・松本貴嗣・仲下秀雄(2013):日本植物化学調節学会第48回大会要旨集:p.55.
• 日本農薬(株)編(1993):フジワン読本.
• 大塚隆・坂 齊(1991):植物の化学調節 26(1):25.
• OKAZAKI, M.; KITTIKORN, M.; UENO, K.; MIZUTANI, M.; HIRAI, N.; KONDO, S.; OHNISHI, T.; TODOROKI, Y. et al. (2012) : Biorg. Med. Chem. 20 : 3162.

タイトルに関連する用語 (11件)： 農薬 ,  開発 ,  日本 ,  創薬 ,  イソプロチオラン ,  殺菌剤 ,  昆虫成長制御剤 ,  植物成長調節剤 ,  環境ストレス耐性 ,  付与剤 ,  展開