抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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筆者らが所属する学科では初年次プログラミング科目においてティーチング・アシスタント(TA)とスチューデント・アシスタント(SA)が授業支援をおこなっている。TA/SAは学期や年度ごとに入れ替わるため,教え方などの知識を蓄積し継承することが難しいという問題があった。また,TA/SAの教育力は授業の質に大きく影響するものの,TA/SAの育成・評価方法について教員間でこれまで十分な議論と意識共有がおこなえていなかった。本研究では,TA/SAがどのような知識を蓄積しているかをグループインタビューの手法を用いて調査した。「事例-コードマトリクス」という質的調査法を援用し分析した結果,TA/SAの活動に関する20種類の事例を抽出し,「問題の特定と分析」「教え方・伝え方の工夫」「TA/SA間の連携・情報共有」「振り返り」の4つのカテゴリーを生成した。この結果から,教員が優良事例と判断した教え方や知識を抽出し,TA/SAが使用するためのガイドブックとTA/SAが活動を自己評価するためのルーブリック(評価基準)を作成した。これらを1年後の同科目において運用し有用性を検証したところ,ガイドブックには(1)分からないことがあった時に役立つ,(2)他のTA/SAの指導法や考えを知るのに役立つ,(3)プログラミングや情報技術について学び直すことつながる,といった効果があり,TA/SA未経験者だけでなくTA/SA経験者にとっても有益であったことが分かった。またルーブリックは,TA/SAの活動の充実度を数値で明確化することができ,それぞれの活動を客観的に振り返るきっかけとなったことを確認した。(著者抄録)