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J-GLOBAL ID：201702258199687136   整理番号：17A1149093

汽水域と環境史-古代出雲の地形発達史-

Estuary and environmental history: a case study of geomorphological development in the Izumo Plain

著者 (2件)： 山田和芳 (ふじのくに地球環境史ミュージアム) ,  高安克己
資料名： 環境考古学と富士山  (Environmental Archaeology and Mt. Fuji)
号： 1  ページ： 60-75  発行年： 2017年03月24日 
JST資料番号： F2015A  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 人間の居住域に密接に関係している汽水域(エスチュアリー)では,古くから自然の恵みを享受する人間の営みが存在している。本論では,島根県東部に位置する出雲平野の形成史に関して『出雲国風土記』に描かれた景観やその成立過程を復元するため,出雲平野西部北縁部で採取した菱根池(HS02)ボーリングコア解析に基づき,完新世における高精度・高時間分解能な堆積環境の変遷から,今の出雲平野にかつて存在していた「神門水海」という水域の消滅過程について検討した。平野西部北縁部における完新世における環境変遷は,以下の通りである:9,500年前以前:河川環境,9,500~7,100年前:内湾環境,7,100~3,900年前:閉鎖的汽水環境,3,900~2,900年前:淡水環境,2,900~1,700年前:汽水環境,1,700年前以降:デルタおよび河川環境。また,「神門水海」は,北部から徐々に埋積しだして,完全に消滅した時期が,おおよそ1,100年前からであることが明らかになった。(著者抄録)

シソーラス用語： *地形発達史 ,  *島根県 ,  平野 ,  *完新世 ,  試錐コア ,  *堆積環境 ,  堆積速度 ,  *古地理
準シソーラス用語： 出雲平野

分類 (1件)： 第四紀  (DE02070C)

引用文献 (32件)：

• Berner, R. A. 1984. Sedimentary pyrite formation:An update. Geochemica et Cosmochemica acta, 48, pp.605-615.
• Bond, G., Showers, W., Cheseby,M., Lotti,R., Almasi, P., deMenocal,P., Priore,P., Cullen, H., Hajdas,I. and Bonani, G. 1997. A pervasive millennial-scale cycle in north Atlantic Holocene and Glacial climates. Science, 278, pp.1257-1266.
• 藤岡大拙(監修)2003「別冊太陽 出雲 神々のふるさと」、平凡社、152頁。
• 福岡孝・松井整司 2002「AT降灰以降の三瓶火山噴出物の層序」『地球科学』56、105-122頁。
• 林正久 1991「出雲平野の地形発達」『地理学評論』64A、26-46頁。

タイトルに関連する用語 (5件)： 汽水域 ,  環境史 ,  古代 ,  出雲 ,  地形発達史