抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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IoT(Internet of Things)時代に接続される膨大な数の機器には,小型で低消費エネルギーの計算デバイスが登載される必要があり,それがチューリング-ノイマンパラダイムに基づくべきかは疑問である。本論文では,1)自然現象の計算の観点からの観察,2)前記観察に基づく計算モデルの構築,3)計算モデルの分析と普遍化,4)計算モデルの自然現象での再実装による計算の可能性の探求,5)普遍化したモデルでの自然現象の理解を通じて,新たなパラダイムの創成を目指す自然計算研究を概説した。次に,自律分散情報処理系の典型例であるアメーバ状単細胞生物・真性粘菌変形体が形状を変形して栄養物質の吸収効率などを最適化できる仕組みに着目し,著者らが構築したホップフィールド型ニューラルネットを用いたアメーバ計算機を紹介した。また,その計算原理を抽出し,充足可能性問題(SAT)の解を高速に探索できるアメーバ型アルゴリズムAmoebaSAT,及びその先端デバイスへの実装による非ノイマン型計算機の開発について展望した。さらに,アメーバ型化学反応シミュレータAmoebaChemは原子間結合の有無及びその時間発展のみによって化学反応を表現するので,計算コストを劇的に削減でき,従来困難であったたん白質フォールディング問題をシミュレートできる可能性を論じた。