抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中学校の天文学習は難しいとされる。季節による太陽の日周運動の変化の小単元の学習直後の生徒に,天球モデル上に太陽の日周運動を季節ごとに書き込ませた。完全正答率は26.8%であった。解答を「南中の位置」と「日の出,日の入りの方位」,「季節と太陽の軌道」の3つの要素に分けて分析すると,「日の出,日の入りの方位」の理解が低い。さらに,誤答を分析した。「南中の位置」の場合は,南中が天頂にまで達したり,半球の北側に達したりする解答が多い。これは,夏至の南中高度の78.4°を実際よりも高く感じている経験からの誤概念だと考察する。「日の出,日の入りの方位」の場合は,季節が変化しても日の出,日の入りを常に真東から真西とする解答が多い。小学校での「太陽は東から昇り,西に沈む。」という学習の理解が中学校の学習を経ても正しい理解にいたっていないと考察する。また,天球モデル上に正しく季節による太陽の日周運動の変化を書き込めることと,季節と地軸の傾きを理解していることの相関性がある。このことから,宇宙視点を統合した,本質的な理解が必要と考える。(著者抄録)