抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,繁殖供用期の採取月齢の異なる雄牛におけるDNAメチル化状態の変化についてその利用性を明らかにし,種雄牛および凍結精液の早期評価に資することである。前年度,ヒトメチル化解析用チップを利用して精子DNAのメチル化可変部位を5箇所同定した(CpG1~5)。本年度は,CpG1を含む近傍22箇所のCpG部位についてバイサルファイトシークエンス解析による検証を行ったところ,加齢に伴ってメチル化度が高くなる傾向を確認した。また,4箇所のCpGについて3頭の黒毛和種雄牛の性成熟期から繁殖供用期の時期に採取した凍結精液間のメチル化レベルの違いをCOBRA法により解析したところ,CpG1を含む3箇所において月齢によるメチル化状態の差異および個体差が検出された。次に,そのうち2頭の雄牛について性成熟期および繁殖供用期の精子DNAを改良型ヒト用DNAメチル化解析用チップによる比較解析を行ったところ,この時期におけるメチル化可変部位が検出された。以上の結果から,精子DNAメチル化レベルは加齢に伴って変化しうること,またメチル化レベルの変化には個体差のあることが判明した。今後,繁殖供用期特異的なメチル化可変部位の差異を指標とした評価系を構築していくことで,受胎性に着目した雄牛および凍結精液の早期評価へ資すると期待される。(著者抄録)