抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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栄養塩を豊富に含む海洋深層水を閉鎖海域に放流し,藻場造成や海藻養殖を行うことを目的とした実海域実験を,沖縄県久米島の真謝漁港にて実施した。効率的に藻場造成を行うためには深層水を滞留させる必要があると考えられるため,漁港内の海底にコンテナ(以下,実験区)を設置しその内部に深層水を連続的に放流した。実験区とその周辺環境のデータを継続的に得るために,実験区およびその周辺に水温計や流速計等を設置するとともに,年間を通して海水のサンプリングを行い栄養塩濃度の変動を把握した。また,実験区に導入する深層水の流量を変化させ,実験区内での深層水の滞留状況への影響を調べた。港の底に設置された箱形のコンテナは深層水を滞留させるのに有効であり,容積5.5m
3のコンテナに2.4m
3/hの深層水を放流することでコンテナ中層より下部は低温・高栄養塩の環境が保たれた。一方,コンテナ中層より上部では周辺海域の水平流速が大きくなると,外部海水と混合しやすくなる。また,実験区から流出した深層水は速やかに周辺海水と混合し,実験区のごく周辺においても海底付近の水温や栄養塩濃度に深層水の影響はほとんど見られなかった。(著者抄録)