抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アクセラレータを搭載したクラスタシステム(アクセラレータクラスタ)の性能を引き出すためには,アクセラレータ間の通信レイテンシを小さくすることが重要である。また,アクセラレータクラスタを簡易に利用できるプログラミング言語も求められている。本稿では,Tightly Coupled Accelerators(TCA)/InfiniBandハイブリッド通信を用いたアクセラレータクラスタ用並列言語XcalableACC(XACC)の評価を行う。TCA/InfiniBandハイブリッド通信とは,TCAが持つ低レイテンシ通信とInfiniBandが持つ高バンド幅を組合せた通信である。TCA/InfiniBandハイブリッド通信およびXACCの有用性を調べるため,HPC分野で重要なアプリケーションの1つであるLattice Quantum Chromo-Dynamics(LQCD)の実装を行い,64計算ノードのアクセラレータクラスタ上で評価を行った。また,XACCとの比較を行うために,CUDAとMPI(CUDA+MPI)およびOpenACCとMPI(OpenACC+MPI)を用いたLQCDも実装した。まず性能評価を行った結果,TCA/InfiniBandハイブリッド通信を用いたXACCの性能は,CUDA+MPIの性能よりも9%高く,OpenACC+MPIの性能よりも18%高いことがわかった。さらに,XACCに対して新しい拡張を行うことで,XACCの性能はさらに7%高くなることがわかった。次に生産性評価を行った結果,XACCはCUDA+MPIおよびOpenACC+MPIと比較して少ないコード量で実装を行えることがわかった。また,XACCは逐次コードのイメージを保ったまま並列化を行えるため可読性が高く,さらにポータビリティにも優れていることを示した。(著者抄録)