抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
中山間地域農業の展開条件を明らかにするため,中山間地域に適したソバの生産に特化した北海道幌加内町の生産実態を分析し,ソバ振興の取り組みと課題を明らかにする。また,秋田県産酒米の県外販売拡大にむけた需要調査を行い,秋田県産酒米の購買動機および品質に対する評価を明らかにする。幌加内町の2017年度のソバ作付面積は3,400haで,町の耕地面積の8割を占めている。幌加内町では,栽培技術向上に対する支援や収穫後の品質管理・向上のため乾燥調製・保管施設の建設,六次産業化など新規需要の創出が行われている。こうした総合的で手厚い施策により幌加内町は日本一のソバ産地となっている。ソバは省力的な作物で中山間地域に適しているが,単収が不安定で価格変動も大きいことが課題である。しかし,事例経営のように排水対策など栽培管理に留意し,一定の技術を習得すれば高単収を得ることができる。また,製粉など六次産業化に取り組めば,価格変動に影響されることなく,飛躍的に販売額を高めることができる。秋田県酒米の県外需要の大口実需者である北海道のA酒造会社は秋田県産酒米を年間6,000俵使用し,全使用量の半数を占めている。秋田県産酒米は供給の安定性において高く評価され,品質においても「美山錦」の評価は高い。安定供給を継続するため,契約数量を超えて生産された酒米の販売力の向上が課題である。(著者抄録)