抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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蒸着プロセスを基盤とする有機エレクトロルミネッセンス(OLED)技術は急速に進歩し,スマートフォンやテレビ用のディスプレイにおいてその最高性能を更新し続けている。厳しいコストおよび品質目標に対処することができれば,OLEDの機能レベルは照明市場に入り込める段階に達してきた。最近では,塗布型OLEDが低コスト製造を具現化するために世界中で提案されている。塗布方式では,大気圧下かつマスクレスで高速多積層成膜が可能となり,デバイス形状,発光色および供給量などの幅広い顧客要望に素早く対応できる可能性を秘めている。しかし,塗布型OLEDでは,性能,とりわけ寿命を含む信頼性が蒸着型デバイスに及ばないことが課題となっていた。近年,蒸着型OLEDは,2つ以上の発光ユニットおよび電荷発生層(CGL)が積層されたマルチフォトン発光OLED(マルチOLED)により飛躍的に性能を向上させ,既に工業化されている。このようなマルチ層構造を塗布プロセスで形成することは,一般的には上層塗布溶媒による下層の溶解があるため困難である。我々は,高輝度および長寿命を達成可能なりん光低分子発光層に着目しOLED照明開発を行ってきた。その結果,世界初の2つの低分子りん光発光ユニットおよびCGLからなる9層塗布型低分子りん光白色マルチOLEDの開発に成功した。本稿では,この塗布型マルチOLEDの積層構造,デバイス性能および最近の進捗について報告する。(著者抄録)