抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1.八幡湿原の水源や泥炭堆積の程度が異なる4つの湿原,6つの調査地点で,2012年11月18日に珪藻の調査を行った。陸上のオオミズゴケ,水中の枯死した植物,底泥など,その地点の代表的な付着基質から,計12試料を採集した。2.表面水の電気伝導度は低く(3.6-3.9mS m
-1),pHは弱酸性(5.9-6.6)を示した。溶存態窒素と硝酸態窒素の濃度は流水で止水よりも有意に高い値を示した。3.全体で49属151種の珪藻が観察された(うち12種は未同定)。最も多くの種を擁した属はEunotia(24種)で,Pinnularia(21種)がこれに続いた。4.オオミズゴケ上では湿原ごとに優占種が異なり,Aulacoseira sp.,Eunotia neocompacta,Micocostatus vitreaが優占種となった。止水中の植物遺体上ではFrustulia saxonica,Aulacoseira sp.あるいはPeronia fibulaが優占種となった。5.泥炭堆積が見られる長者原湿原の底泥上では,Brachysira brebissoniiが優占種であった。6.流水中の植物上では,Diatoma mesodon,Eunotia minor,Fragilaria gracilisが優占種となった。7.クラスター分析および指標種分析の結果,珪藻群集の高いβ多様性は,主として流水環境と止水環境の混在によって生じていることが明らかになった。(著者抄録)