抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ニホンツキノワグマによる剥皮被害を受けた樹木は,剥皮部位から木材腐朽菌や変色菌が侵入し,樹幹内部に腐朽・変色が発生するため材質劣化が進行するが,材質劣化の樹高方向での変動については明らかになっていない。本研究では,クマの剥皮被害を受けたスギ立木を用いて,スギ樹幹内部での材質劣化の状況を調査した。動的ヤング率の樹高方向の変動は,全ての個体で一定の傾向を示さなかったが,応力波伝播速度は,樹幹下部から樹幹上部に向かって増加する傾向を示した。辺材含水率及び辺材色の樹高方向の変動においては,未被害木と一部剥皮被害木は類似した傾向を示したが,全周剥皮被害木は異なる傾向を示した。一方,辺材容積密度では,未被害木は0.30g/cm3前後で推移したが,一部剥皮被害木と全周剥皮被害木は0.26g/cm3前後で推移した。剥皮形態の違いにより,材質劣化の樹高方向での変動が大きく異なることが確認された。(著者抄録)