抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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開聞岳において自然電位測定を行った結果,山麓成層火山領域では約-3mV/mの明瞭な地形効果を表す自然電位プロファイルが得られた。一方,標高400mから上部の中央火口丘領域では,地形効果が明瞭でない上,中央火口丘領域内に局在している885年溶岩との境界付近において,いくつかの局所的な自然電位異常が明らかとなった。これらの自然電位プロファイルの原因を解明するため,電位プロファイルに沿ったVLF-MT観測と採取した岩石のゼータ電位測定を行った。得られた見かけ比抵抗は100~600Ωmの値を示し,際立った低比抵抗や高比抵抗を示す場所はみあたらなかった。岩石ゼータ電位はすべてのサンプルが負の値を示したが,地層ユニット毎に値が異なっており,山麓成層火山(約-10mV),中央火口丘(約-1mV),885年溶岩(約-20mV)の3つに分類できることが明らかとなった。開聞岳では,地層ユニット毎のゼータ電位の違いが自然電位に影響を及ぼしている可能性があるため,地下水流動とゼータ電位測定の結果を用いた自然電位の数値シミュレーションを行った。最初に山麓成層火山と中央火口丘の関係について軸対称モデルの計算を行った結果,ゼータ電位がゼロに近い中央火口丘では,発生する流動電位が小さいため,地形効果も極めて小さくなることが示された。次に中央火口丘と885年溶岩の関係について定性的なモデルを用いて計算を行った結果,885年溶岩の下方周辺では,正の自然電位異常を形成することが示された。以上の結果から,開聞岳の自然電位は,地質ユニット毎に異なるゼータ電位を反映して,(a)標高400m以下の山麓成層火山では約-3mV/mの地形効果,(b)標高400mを越える中央火口丘ではフラットに近い小さな地形効果,(c)885年溶岩と中央火口丘の境界付近では局所的な電位異常,から成る分布を形成していることが示唆された。(著者抄録)