抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アフリカの塩害地でアジアイネとアフリカイネの種間交雑種NERICAを作付けすることによってイネの収量が改善されるかどうかを検討するために,NERICA 1の耐塩性を親品種(WAB56-104,CG14)および日本陸稲 2品種とともに調査した.イネは水田土壌を詰めた1.8 Lポットで成熟期まで湛水条件で栽培した.3つの塩処理開始時期(播種後35,49,63日)と3段階のNaCl濃度(100,200,300 mM)を組み合わせた塩処理区と塩を加えない対照区を設けた.対照区の収穫時の乾物重に対する塩処理区のそれの相対値で耐塩性を評価したところ,耐塩性はアジアイネ親のWAB56-104では大きく日本陸稲品種程度であったが,アフリカイネ親のCG14で小さく, NERICA 1はそれらの中間であった.耐塩性は茎葉部のNa含有率が低いほど大であり,この関係には品種で差がなかった.CG14でNa含有率が高かったのは,CG14がNaを蓄積しやすいためであった.Naを蓄積する性質はWAB56-104とNERICA 1で同程度であったが,NERICA 1は塩ストレスを受けた期間が長かったため,そのNa含有率が高くなったと推定された.以上の結果から,アフリカイネ親の耐塩性は低かったがNERICA 1の耐塩性はそれほど低くなく,塩ストレスに対する反応はNERICA 1とアジアイネ親で似ていると考えられた.(著者抄録)