抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電子機器類の構造部に利用されるプラスチックを成形する射出成形機では,1990年代後半から,パワーエレクトロニクス技術を駆使した電動駆動方式が普及してきた。電動式射出成形機では,サーボアンプと呼ばれるインバータにより交流モータが駆動される。このため,商用交流電圧を直流に変換し,さらにインバータにより可変電圧可変周波数交流に変換し交流モータを駆動する。小容量の電動式射出成形機では,ダイオード整流回路が用いられており,モータの減速時に生じる回生電力を直流母線に接続した抵抗で消費している。これは省エネルギーの観点から問題がある。このため,双方向DC-DCコンバータとSCから構成されるAdd-on式エネルギー回収システムが提案されている。文献では,回生電力をエネルギー回収装置に貯蔵し,力行時に貯蔵した電力を用いることで49%の省エネルギー効果が得られることが報告されている。一方,大容量の電動式射出成形機では,PWM整流器が用いられており,モータ減速時に生じる電力は系統に回生している。そこで,本論文では,PWM整流器を用いた電動式射出成形機のサーボアンプに電カピークカット装置を設置した場合の制御法について検討する。本論文で想定している84kW級電動式射出成形機のモータの運転パターンでは,消費電力の平均値が1.8kWであるのに対し,ピーク電力が83.3kWと非常に大きい点が特徴である。このため,電気設備容量が増大するので電カピークカット装置を用いて系統の瞬時電カピークをカットする。本論文では,電カピークカット装置の新しい制御法を提案し,その有効性を明らかにする。はじめに,電力ピークカット装置の制御法について詳細に検討する。さらに,計算機シミュレーションおよび実験により系統の電力ピークカット効果について検証する。