抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
台風12号は,2011年9月2日から5日にかけて西日本を横断し,特に紀伊山地に2000mmを超える降雨をもたらし,主に四万十帯で50以上の深層崩壊を発生した。発生したものの内大規模な14の深層崩壊について,発生前後の1m-DEM解析および空中写真観察,さらに地質調査を行った結果,いずれも発生前に将来冠頂となる位置に重力変形による小崖または線状凹地を伴っていたことがわかった。これらの小崖は,比高2mから50mで,空中写真では極めて注意深く観察して見出されるものが多い。斜面傾斜方向断面で考えると,その水平長と崩壊斜面水平長との比は5~21%であり,これは発生前の斜面変形程度が小さかったことを示している。これらの斜面変形の多くは,楔形不連続面に沿うすべりによるものである。発生時の特定された19の深層崩壊は,レーダーアメダス解析雨量によれば,3日間での累積雨量が約700mmを超えるあたりから発生した。(著者抄録)