抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2013年3月に座談会「文化財建造物とまちの火災安全-清水寺とその周辺地域の経験から取り組みのツボを探る」を京都で開催した。これらの取り組み事例につき文化財所有者(清水寺),周辺地域(門前町),行政組織(京都市消防局,京都府教育庁)の立場から紹介してもらい,文化財建造物の防災活動のあり方につき議論した。はじめに,京都における文化財の特徴と課題に関して,歴史都市の代表である京都には多くの文化財建造物があるが,「老朽化した木造家屋」である場合が殆どであり,整備が不十分な街区の中に軒を連ねた状態で立っている状況であることを示した。次に,清水地区における防災活動に関して,清水寺周辺の同時焼失確率は広範囲に及ぶ恐れがあるが,清水寺の敷地内の至る所に消火栓,放水銃が整備されており,周辺地域には水源確保,配水管に沿った市民用消火栓が配置されていることなど清水地区の市街地火災に対する備えは大きく拡充されていることを示した。また,清水地区における防災活動の背景に関して,清水寺は1628年の火災以来,約380年も大きな火災は発生していないが,他の文化財での大規模な火災を教訓として問題意識の強化を継続していること,清水寺と門前町の相互依存関係が確保されていること,門前町の規模とまとまりを持った街を形成していること,地域活動の一環として防災活動が位置付けられていることなどを挙げた。防災活動の背景は事例ごとに特殊であり,清水寺の経験をそのまま当てはめることはできないが,「文化財を地域の核と位置づけ,文化財所有者と周辺地域が連携して展開する地域活動」は参考にする点が多いことを指摘した。