抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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マシニングセンタなどの数値制御工作機械によって所望の製品形状を加工する際に,様々な工具経路を生成することができ,一意に決めることができない。さらに,製品形状が複雑になるほど,工具経路の選択と生成は困難になると考えられる。本研究では,数値制御工作機械の送り駆動系の消費エネルギーに着目し,消費エネルギーに基づく工具経路評価指標を提案する。まず,実際に立て形5軸マシニングセンタの送り軸を動作させたときの消費エネルギーを測定し,その結果をもとに工具経路評価指標を設定する。本研究により得られた結果は次の通りである。1)提案する評価指標により,工具経路と送り速度の違いによる消費エネルギーの違いを評価できる。2)工具の移動距離が最も短く,運動時間も短い工具経路よりも,各軸の移動距離の合計が短い工具経路のほうが,送り運動に要する消費エネルギーは少ない。3)一定距離を送るのに要する消費エネルギーが最小になる送り速度が存在し,本研究で実験に使用した機械では,送り速度を3000mm/minとしたときに消費エネルギーが最小となった。4)提案する評価指標に基づいて,実際の加工を想定した工具経路においても経路の違いによる消費エネルギーの違いを評価できる。本研究で提案する評価指標に基づいてCAMにより生成された工具経路を評価することで,送り軸の消費エネルギーの観点から最適な工作物の設置方向,工具経路および送り速度を設定することが可能となり,生産現場における消費エネルギー削減に大きく貢献できると考えられる。