抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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全球気候モデル(GCM)の出力降水量に対して,気候変動影響研究でよく用いられる2つのバイアス補正法を適用し,日降水特性から補正効果を比較した。また,2つの方法で補正された降水量を水文モデルに入力し,バイアス補正法間の差が水循環解析に及ぼす影響を検討した。バイアス補正法には,日降水量の確率分布を用いる方法(CDF法)および月降水量平均値を合わせる方法(平均値比率法)の2方法を用いた。GCM降水量には,東京大学気候システム研究センター等によって開発されたMIROC3.2hiresによる温暖化予測実験結果の現在期間(1981年~2000年の20年間)を採用し,逆距離内挿法による標準地域3次メッシュ単位のデータセットを用いた。実測降水量には,アメダス等の実測値を内挿し,GCM降水量と同様に標準地域3次メッシュ化したものを用いた。日本の気候帯を考慮した代表4地点の気象官署が存在するメッシュを対象として,日降水特性(日降水量分布,降水日数,年最大日降水量,連続無降水日数)からバイアス補正法を検証した。ついで,実測降水量,バイアス未補正GCM降水量,および2方法による補正済みGCM降水量の4タイプの降水量を水文モデル(タンクモデル)に入力し,月平均流出高,流況,および水収支を比較した。その結果,降水特性,流出特性,および水収支からCDF法による補正効果が確認された。しかし,CDF法でも渇水流量が過大推定される傾向が見られ,連続無降水日数などの降雨特性に課題が残されていることが示唆された。